手作りでいちばん多い失敗は、接着剤の種類が合っていないことです。付かない、白くなる、当日に取れる。原因はたいていここにあります。
接着剤は「強いか弱いか」ではなく、くっつける素材の組み合わせで選びます。
まず、接着せずに済まないか
接着はやり直しがきかない工程です。始める前に、他の方法が無いかを一度確認してください。
- 丸カンでつなげる → 外せる。作り直せる
- ワイヤーで巻く → 外せる
- 接着する → 戻せない
この順番はピアスを手作りする記事でも触れていますが、接着剤を使うのは他の方法で留められない形のときだけにしてください。
種類は、おおまかに5つ
| 瞬間接着剤 | 速い。硬く固まるので、力がかかると割れる。はみ出すと白くなる |
|---|---|
| 2液を混ぜる型 | 混ぜてから塗る。強く、金属にも効く。固まるまで時間がかかる |
| 多用途型(弾力が残る) | 固まっても少ししなる。動く場所・布に向く |
| 樹脂を溶かして流す道具 | 大きい面を早く留められる。厚みが出るので、見える場所には向かない |
| 光で固める樹脂 | 透明。接着だけでなく、埋める・盛るができる |
小物の修理と組み立てで出番が多いのは、2番目と3番目です。瞬間接着剤は速い代わりに、あとから力がかかる場所では外れます。
接着剤は製品ごとに使える素材・使い方・注意事項が違います。必ず商品の表示にしたがい、換気や保護具の指示がある場合はそちらを優先してください。当サイトの記述は一般的な傾向にすぎません。
金属どうしは、接着に向かない
知っておくと失敗が減るのが、金属と金属の接着は、思ったより外れやすいということです。
- 表面がつるつるで、接着剤が食いつく所が無い
- 温度で伸び縮みするので、少しずつはがれる
- 力が一点にかかる形が多い
金属どうしをつなぐなら、丸カンか、ワイヤーで巻くほうが確実です。どうしても接着するなら、2液を混ぜる型を選び、接着面を紙やすりで軽く荒らしてから使います。
樹脂は、白くなることがある
透明な樹脂やプラスチックの部品に瞬間接着剤を使うと、周りが白くくもることがあります。
- 透明な部品には、瞬間接着剤を使わない
- 使うなら、光で固める樹脂か、多用途型
- それでも心配なら、いらない部品で先に試す
3つ目が確実です。本番の部品でいきなり試さない。白くなってからでは戻せません。
布と金属をつなぐとき
チョーカーやリボンのように、布と金具をつなぐ場面はよくあります。
| 向く | 多用途型、布用の接着剤。固まっても少ししなる物 |
|---|---|
| 向かない | 瞬間接着剤。布が硬くなり、そこから裂ける |
布は動きます。硬く固まる接着剤は、動く素材とは相性が悪いと覚えておくと選びやすくなります。
量は、多すぎるほうが失敗する
「たくさん付ければ強い」は間違いです。接着剤は、薄いほうが強くつきます。
- 多い → はみ出す、乾かない、層が厚くなって割れる
- 適量 → 押しつけたときに、わずかにはみ出る程度
- 足りない → 部分的にしか付かない。これは分かりやすい失敗
つまようじや、いらない紙の端でのばして塗ると、量を調整できます。容器から直接つけると、たいてい多すぎます。
押さえている時間
説明に書かれている「固まる時間」と、手で押さえておくべき時間は別物です。
- 押さえる:位置がずれなくなるまで
- 置いておく:形が動かなくなるまで
- 使えるようになる:完全に固まるまで(さらに時間がかかる)
当日の朝に作って、そのまま出かけるのがいちばん危険です。3の時間を確保できないと、着けているうちに外れます。
段取りの逆算は段取りの記事にまとめています。接着を使う工程は、1週間前までに終わらせてください。
はみ出したとき
はみ出した接着剤は、固まる前に取るのが唯一の方法です。
- すぐに、乾いた綿棒かつまようじで取る
- 指でぬぐわない。広がる
- 固まってから削ると、部品を傷める
固まってしまったら、削るより、その上から飾りを足して隠すほうが早いことがあります。小さいチャームや石を1つ置けば分かりません。
肌に触れる場所には使わない
これは仕上がりの話ではなく、安全の話です。
ピアスの芯、キャッチ、金具の裏など、肌に長時間触れる部分に接着剤を使うのは避けてください。素材が分からなくなり、はがれた破片が肌に触れることもあります。
金具を替えたいなら、接着ではなく金具の交換で対応できます。ほとんどの場合、接着より確実で、元にも戻せます。
残った接着剤は、次に使えないことが多い
接着剤は開けた時点から劣化が始まります。
| 瞬間接着剤 | 口が固まる。次の年には出ないことが多い |
|---|---|
| 2液型 | それぞれ別容器なので、比較的もつ |
| 多用途型 | チューブの口をふさげば、しばらく使える |
使い切れる量を買うのが結局は無駄になりません。作る前に、使う場所が何か所あるかを数えてください。
当日に持っていくか
結論から言えば、接着剤は持っていかなくてよいです。
- その場で固まる時間が無い
- 衣装や手に付くと取れない
- 会場で使える場所が限られる
当日の応急処置には、丸カン・ヘアゴム・絆創膏のほうが役に立ちます。持ち物は壊れたときの記事にまとめています。
まとめ
- 接着せずに済む方法を先に探す。丸カンなら外せる
- 選ぶ基準は強さではなく素材の組み合わせ
- 金属どうしは接着に向かない。透明な樹脂は白くなる
- 量は薄く。多いほうが失敗する
- 肌に触れる場所には使わない。当日も持っていかない
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