布の花は、髪飾りにも、衣装に留める飾りにも使えるという点で応用の効く小物です。
作り方は単純で、花びらの形を切って、重ねて、中心を留めるだけです。縫う工程はありません。
どの布で作るか
| フェルト | 切りっぱなしでよい。いちばん簡単。厚みが出る |
|---|---|
| 化繊のサテン・オーガンジー | 端を火で処理する。光沢が出る |
| 綿・レース | ほつれ止めが要る。落ち着いた印象 |
| リボン | 幅がそろっているので、切るだけで花びらになる |
初めてならフェルトです。端の処理が要らないので、切って重ねるだけで完成します。扱いはフェルトの記事にまとめています。
花びらの形は2種類でよい
- 丸い花びら:やわらかい印象。数を重ねると厚みが出る
- 先のとがった花びら:はっきりした印象。少ない枚数で形になる
どちらも、紙で型紙を1枚作れば何枚でも同じ形が切れます。手で描きながら切ると、必ず大きさがばらつきます。
枚数と、大きさの差
花らしく見えるかどうかは、枚数より大きさの差で決まります。
- 大きい花びらを5枚(いちばん下)
- 少し小さいものを5枚(その上に、ずらして重ねる)
- いちばん小さいものを3枚(中心近く)
同じ大きさばかりを重ねると、平らな円にしかなりません。大・中・小の3段階を作ると、それだけで花に見えます。
ずらして重ねる
重ねるときに、花びらの位置をそろえないのがこつです。
- 下の段の花びらのすき間に、上の段が来るように置く
- 段ごとに、少しずつ回す
- 上にいくほど、中心へ寄せる
そろえて重ねると、横から見たときに1枚の板に見えます。ずらすだけで立体になります。
中心の留め方
| 細いワイヤー | 中心を貫いて、裏でねじる。外せる。作り直せる |
|---|---|
| 接着 | 速い。戻せない。布に向く接着剤を使う |
| ボタン・ビーズ | 中心に置いて留める。飾りと留め具を兼ねる |
3番目がいちばん仕上がりがよくなります。中心に1粒あると、そこに視線が留まって花の形が締まります。
ワイヤーを使う場合、裏で切った先端を必ず折り込んでください。髪に付ける物なら、ここで引っかかります。処理の仕方はワイヤーの記事にまとめています。
大きさの目安
作っているときは机の上で見ているので、できあがりは思ったより大きく感じます。
- 髪飾り:手のひらに収まる大きさまで
- 衣装に留める:それより小さく。複数付けるなら、さらに小さく
- 和装に使う:小さい物を数個のほうが収まる
作る前に、紙を同じ大きさに切って頭や胸に当ててみると確かめられます。布を切る前にできる確認です。
色は2色まで
花は形で見せる物なので、色数を増やすと形が読めなくなります。
- 花びらは1色
- 中心だけ別の色
- 2色目を花びらに使うなら、下の段だけにする
ハロウィンなら、黒の花びらに、中心をオレンジか紫にすると収まります。黒い花は行事の空気に合い、しかも通年で使えます。
土台に付ける
| ヘアクリップ | 付け外しが速い。髪の量が少ないと落ちる |
|---|---|
| ヘアピン | 小さい花に向く。2本交差させて留める |
| ブローチの金具 | 衣装に留められる。厚い生地には効かない |
| 安全ピン | 裏から留める。薄い生地に穴が残ることがある |
衣装の上に留める場合の注意は衣装の上に置く記事にまとめています。生地の厚みで、使える金具が変わります。
和装に使う場合
布の花は、和装と相性がよい飾りです。
- 小さい花を3〜5個、まとめて1か所に
- 色は衣装から取る
- 垂れる紐を1本足すと、それらしくなる
大きい花を1つ置くより、小さい花を集めるほうが収まります。和装の小物の考え方は和装の記事にまとめています。
しまい方
布の花はつぶれると戻りません。
- 箱に入れて、上に物を置かない
- 花びらの間に丸めた紙を挟む
- 湿気を避ける。ほこりが付くので袋に入れる
つぶれてしまった場合、フェルト以外なら、蒸気を軽く当てて形を戻せることがあります。ただし素材によるので、目立たない所で試してください。
花びらの端を処理する
フェルト以外の布を使うなら、切った端がほつれます。処理の方法は素材で決まります。
| 化繊(サテンなど) | 端に火を近づけて溶かす。丸まって、それが花びららしい形になる |
|---|---|
| 綿・麻 | 火では処理できない。ほつれ止めの液を塗る |
| レース | もともと端が模様になっている物なら、そのまま使える |
火を使う作業は、換気のできる場所で、燃えやすい物を離して行ってください。素材によっては溶けずに燃えます。使う布の表示を確認し、必ず目立たない部分で試してから作業してください。
化繊の端を溶かす方法は、花びらが自然に反り返るという利点があります。平らな布が立体になるので、重ねたときの形がよくなります。
作る前に、いくつ要るかを数える
布の花は1つ作るのも5つ作るのも、手間があまり変わりません。型紙を作る工程が共通だからです。
- 使う場所を先に決める(髪、胸、腰、かばん)
- 必要な数と大きさを書き出す
- まとめて切って、まとめて重ねる
あとから1つ足そうとすると、同じ布が残っていない、型紙を捨てたということが起きます。型紙は必ず取っておいてください。
余った花びらは捨てないでください。次に作るときの中心の段に使えます。
まとめ
- 初めてならフェルト。端の処理が要らない
- 紙の型紙を作る。手描きだと大きさがばらつく
- 大・中・小の3段階を、ずらして重ねる
- 中心はボタンかビーズで留めると仕上がりがよい
- 色は花びら1色+中心1色まで
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